数検解説1(論理的に解くということ)

問題】(数学検定2級2次過去問一部改題)

次の等式が成り立つとき,A~Eの各文字が表す数字の組をすべて求めなさい。ただし,各文字は1,2,3,4,5のどれかを表し,それらはすべて異なります。 この間題は解法の過程を記述せずに,答えだけを書いてください。(複数解答あり)
A×B+C-D÷E=6

解説

まずまともにAからEの中に数字1から5を一つ一つ入れていくとどうでしょうか。

異なる数字ということで、

Aに5通りの数字、Bには残りの4通りの数字、Cには残りの3通りの数字、Dには残りの2通りの数字、Eには最後の1通りの数字になるので

5×4×3×2×1=120(通り)の組み合わせの数を入れていかなければなりません。

時間が無制限にあればそれでも答えは出ますのでこのやり方でよろしいでしょう。ところが今回は、数学の試験ということで制限時間があり1問あたりに費やせる時間は20分程になります。120通り入れていくやり方は難しい形となります。

それでは他のやり方を模索していくことになります。

AからEの5つの文字がありますが、ある程度候補が絞れそうな文字があるようです。問題の式 A×B+C-D÷E=6の中に注目すべき部分があります。

…『D÷E』ですね。ここは割り算になりまして入れる数字によって整数になったり小数になったりします。他の部分が全て整数となりますので、ここの部分も整数とならなければなりません。よって『D÷E』は整数となります。

D÷Eが整数となるためには、1から5の数字のどれを入れていけばよろしいでしょうか。

『÷E』のEは3以上になることはありませんね。2か1になります。よってそれに対応するDを決めていくとDとEの組み合わせは、

(D,E)=(4,2)、(2,1)、(3,1)、(4,1)、(5,1)の5通りと絞られます。

(つまり『D÷E』の候補は、2,3,4,5の4つになります。)

次に『A×B+C』を考えていきましょう。分かりやすくA×B+C-D÷E=6を移項処理して、A×B+C=6+D÷Eとします。

(D,E)の組み合わせ候補は5通りでありますので、以下場合分けして考えてみましょう。

(ⅰ) (D,E)=(4,2)のとき

D÷Eが2になりますので、右辺の6+D÷Eは8になります。つまり左辺のA×B+C=8ですね。また残りの数字は、1と3と5になります。ここでAとBとCにまともに入れてみると3×2×1=6通りあるので、このくらいであれば全て確かめても良いかもしれません。

でももう少し絞り込みができます。もしAやBに3や5を入れると15になり、既に8を超えてしまうので不適になります。よってAかBに必ず1がくることになります。

それを踏まえると(A,B,C)の組み合わせは(1,3,5)(1,5,3)(3,1,5)(5,1,3)の4通りとなります。

よって(D,E)が(4,2)のときの(A,B,C,D,E)の組み合わせは、(1,3,5,4,2)(1,5,3,4,2)(3,1,5,4,2)(5,1,3,4,2)の4通りになります。

(ⅱ) (D,E)=(2,1)のとき、

これもD÷Eが2になりますので、右辺の6+D÷Eは8になります。つまり左辺のA×B+C=8ですね。また残りの数字は、3と4と5になります。

この残りの数字をどのようにいれても左辺のA×B+Cが8になることはありえません。よって (D,E)=(2,1)は不適になります。

(ⅲ) (D,E)=(3,1)のとき、

D÷Eが3になりますので、右辺の6+D÷Eは9になります。つまり左辺のA×B+C=9ですね。また残りの数字は、2と4と5になります。

これまた残りの数字をどのようにいれても左辺のA×B+Cが9になることはありえません。よって (D,E)=(3,1)は不適になります。

(Ⅳ) (D,E)=(4,1)のとき

D÷Eが4になりますので、右辺の6+D÷Eは10になります。つまり左辺のA×B+C=10ですね。また残りの数字は、2と3と5になります。

これまた残りの数字をどのようにいれても左辺のA×B+Cが10になることはありえません。よって (D,E)=(4,1)は不適になります。

(Ⅴ) (D,E)=(5,1)のとき

D÷Eが5になりますので、右辺の6+D÷Eは11になります。つまり左辺のA×B+C=11ですね。また残りの数字は、2と3と4になります。

(A,B,C)の候補にもう少し絞り込みをします。もしAやBに3や4を入れると12になり、既に11を超えてしまうので不適になります。よってAかBに必ず2がくることになります。

Aに2を入れるとBが4、Cが3のとき11になります。Bに2を入れるとAが4、Cが3のとき11になります。

それを踏まえると(A,B,C)の組み合わせは(2,4,3)(4,2,3)の2通りとなります。

よって(D,E)が(5,1)のときの(A,B,C,D,E)の組み合わせは、(2,4,3,5,1)(4,2,3,5,1)の2通りになります。

以上(ⅰ)から(Ⅴ)の場合分けにより、求めるA~Eの各文字が表す数字の組は

(1,3,5,4,2)(1,5,3,4,2)(3,1,5,4,2)(5,1,3,4,2)(2,4,3,5,1)(4,2,3,5,1)の6通りになります。・・・(答え)

いかがでございましたでしょうか。一見問題分はシンプルにも見えますが、組み合わせを複数過不足なく挙げていくのは絞り込みと細かい場合分けが必要なことがわかると思います。そこには論理的に手順を追って考えていく思考が存在します。

・全て入れようとすると120通りあって大変だ。→・『D÷E』の割り算で絞り込みができる。→・『A×B+C』は5パターンある。→『A×B』の大きさでより絞り込みをして残りの数字を決めていく といった流れになります。

これから数学・数理を学んでいく際には、常に論理の思考を大切に問題を解き進めていきたいですね。